① Blakes
この地のカレー店を語る上で欠かすことはできない、伝説のカレー屋「GHEE」。村上春樹氏を始めとする多くの著名人が通い詰めたことでも知られる。そこの料理人だった赤出川氏が、GHEE閉店後11年の月日を経て再び神宮前の地に戻り、2016年にオープンさせた店が「Blakes」である。
この店に訪れたら、ぜひ食べて欲しいのがビーフカレー&バターチキンカレーのコンビネーション。GHEE時代から提供するメニューのため、通ったことがある人は、きっと一口で思い出がフラッシュバックするはず。食べた瞬間、汗が吹き出しそうなほどの辛さのビーフカレーと、まろやかな辛さのバターチキンカレーを交互に食べて、そのギャップを楽しんでみてほしい。
② Curry Up®
言わずと知れたNIGO®氏プロデュースのカレーショップ。前述した「Blakes」の前身とも言えるGHEEでアルバイトをしていたNIGO®氏が、その流派を引き継ぎオープンした同店。現在都内に3店舗を展開し、その1号店となるのがこの原宿店だ。白い壁と直線的な要素で作られたこのお店は、一見コーヒースタンドのようなスタイリッシュさ。
一番の人気メニューは、トマトの甘味を際立たせたバターチキンカレー。だが、辛いもの好きな人にはビーフカレーがオススメだ。もしも辛すぎた時は、シェフのアミンさんに声を掛けてみて。アミンさんに顔を覚えてもらえたら、次回からはお客さんの好みに合わせて味を調整してくれると、常連さんの間ではちょっとした有名人なのだ。
③ MOKUBAZA
チーズキーマカレーが名物の「MOKUBAZA」に足を踏み入れると、こだわりのインテリアが迎えてくれる。元グラフィックデザイナーの店長が、当時事務所として使っていたこの場所でBARをスタートさせたのがきっかけ。その際にフードメニューとして提供していたのがキーマカレーである。
“世界一のキーマカレー”をコンセプトに、大手食品会社出身のスタッフとスパイスや食材の研究を重ねて生まれたキーマカレー。それに惜しげもなくモッツァレラチーズを覆いかけたチーズキーマカレーは、カレーとは思えない姿が話題を呼んで大ブレイクした。こだわり抜いたキーマカレーをあえてチーズで包んでしまうという発想は、店長のデザイナーとしてのルーツとこの世界観によってもたらされたのかもしれない。
④ HENDRIX CURRY BAR
創業25年、カレー激戦区となる前からこの地でカレー店を営んできた「HENDRIX CURRY BAR」。店名は、時代を超えて魅了するギタリスト「ジミ・ヘンドリックス」に由来して開店当時の店主が命名した。現在、二代目店主を務める若林さんも大の音楽好きだそうで、店内にはこだわりの音楽が流れる。
昼はカレー屋、夜はBarといった2つの顔を持つこの店が提供するカレーは、スパイスの効いたちょっぴり辛い濃いめの味付け。この味は、開店当初から変わらずに受け継いでいるものなのだとか。ゴロゴロとした肉の塊の上には、口当たりをマイルドにするパクチー&バナナのヨーグルトがトッピング。こだわり抜いた個性あるその味は、癖になる美味しさだ。
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⑤ ヨゴロウ(YOGORO)
看板も出さずにひっそりと、まるで隠れ家のように佇む人気カレー店「ヨゴロウ」。ファッション誌で12年間ライターを務めた経験を持つ店主の人脈や、アパレル関係のオフィスやお店が多い土地柄からか、古くから通うオシャレな常連客が多いという。
店主のおすすめは、ほうれん草チキンカレー。ほうれん草ペーストがたっぷり入ったオイリーで濃厚なルーと、注文を受けてから蒸し焼きにするという大きなチキンが特徴だ。中でも、ホロホロと崩れる柔らかな食感のチキンは、他のカレー店を凌ぐほど絶品。修行や競合店の調査をほぼせずに、自身のセンスと常連客の声を信じて作り上げられたオリジナルのカレーは、どんなお店にも真似できない味わいである。
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読み終えた頃には、口の中が唾液でいっぱいになった方もいるのでは?神宮前2丁目という場所ならではのユニークなこだわりが光るカレーたちは、どれも今にもお店に向かいたくなるほどの破壊力を持っている。お店に足を運ぶ際は、その特徴を思い出しながら、ぜひ味わってみて欲しい。
Text:Mae Kakizaki