絵具は自律的に、自由に飛散し滴り落ちる
南⻘山5丁目・アニエスベー ギャラリー ブティックにて、NYを拠点に活動するアーティスト、クレイグ・コステロ(KR)による個展「Thank you for letting me be myself again.」が、2026年5月30日(土)〜7月31日(金) まで開催される。
クレイグ・コステロ(KR)は、絵画、サイトスペシフィック・インスタレーション(場所全体をひとつの体験として成立させる展示)、写真など領域横断的な実践に加え、画材ブランド兼クリエイティブ・スタジオ「KRINK」の創設者としても知られる。消火器や園芸用スプレー、靴墨ボトルといった独自のツールを用いた、都市空間における痕跡やジェスチャー表現探求の背景には、1980年代NYのグラフィティ、スケート、パンクカルチャーに深く影響を受けた「DIY精神」が息づく。
現在はグラフィティそのものから距離を置きながらも、その感覚は作品の根底に流れ続ける。文字の「可読性」に着目したミニマルでジェスチャー性の高い痕跡やドリップは、制御と偶発性のあいだを行き来し、大判絵画やインスタレーションを通して展開される作品群は、グラフィティが持つ”一過性”を超えた新たな痕跡のあり方を提示している。
本展で発表する新作シリーズ「Thank you for letting me be myself again」は、紙を支持体とし、アクリルとエナメルが幾重にも積み重ねられた作品群。粗く、累積し、剥ぎ取られ、まるで地下鉄の壁面から引き剥がされてきたかのように——コステロは絵の具を意図的に制御しながらも同時にそれを解放し、重力に従い落下し流れゆく物質の運動に委ね、降り注ぐ水、炸裂する花火、あるいは天体の運行を想起させるイメージを生成する。
なお、展覧会タイトルは、長年にわたり数多くのミュージシャンに引用されてきた楽曲のタイトルが着想源。"again"、すなわち「自分らしくあること」の大切さを改めて問いかけるこの言葉は、彼自身の創作姿勢と深く共鳴しており、本展全体を貫くメッセージとなる。
2018年に来日した際は、アニエスベー渋谷店のファサード一面に作品を制作し、キャットストリートの風景にも痕跡を残したクレイグ・コステロ(KR)。彼のジェスチャーやドリップが都市のノイズに溶け込み、鮮やかな存在感を放つさまを目撃してほしい。
■クレイグ・コステロ(KR)
Thank you for letting me be myself again.
会期:2026年5月30日(土)〜7月31日(金)
開催場所:アニエスベー ギャラリー ブティック
住所:東京都港区南⻘山 5-7-25
ラ・フルール南⻘山 2F
営業時間:12:00-19:00
休廊日 : 月曜日(7月20日除く)
デザイン:Azone+Associates
会場設営:LIFE LIVE
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NANZUKA UNDERGROUND では、ケニー・シャーフによる新作個展「ShimiShimiKao!」が開催。バスキアやキース・ヘリングといった同世代のアーティストとの活動で知られ、冷戦下の80年代NYで青春時代を過ごしたシャーフ。文字通り”シミが顔のように見えること”を着想源とした新シリーズには、想像力によって悲惨な現実を乗り越えようとする真率な思いが託されています。無生物に命を吹き込む、躍動感溢れる表現に触れてみてください。
※敬称略
Text:Rumi Hasegawa
INFORMATION
南青山・アニエスベー ギャラリー ブティックで クレイグ・コステロ(KR)による個展が開催
- 住所
- 東京都港区南⻘山5-7-25 ラ・フルール南⻘山 2F
- 営業時間
- 12:00-19:00
- 定休日
- 月曜日(7月20日除く)
- 開催期間
- 2026年5月30日(土)〜7月31日(金)
- 長谷川瑠美
外部ライター
































